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「森作りの明暗」と「日本林業はよみがえる」を読んで

大分時間が空いてしまいましたが、4月29日の勉強会では、以下の二冊を材料に議論をしました!

森づくりの明暗―スウェーデン・オーストリアと日本森づくりの明暗―スウェーデン・オーストリアと日本
(2006/05/11)
内田 健一

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日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く
(2011/01/19)
梶山 恵司

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担当者が、上記2冊の中から、議論に使えそうな箇所として引用等をしてまとめた資料を、共有させて頂きます!

4番の地域への貢献度が、最も目から鱗の箇所でした。

1、林業とは

林業:木を切って木材を作り販売する仕事

どういった木を切るかというと、人工林と天然林に分けることが出来る。
人工林は、人が人工的に植林をし、手を入れ続ける事で木が強く太く育ち、森林の機能を維持することが出来るもの。
天然林は、人の手を介さずとも、自然の循環で森林の機能が維持されているもの。
日本の現在の人工林は6割で、1040万ヘクタール程度。
林野庁: http://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/genkyou/sinrin_ritu.html

人の手を入れ方として、具体的には以下のような工程がある。
➢ 除伐
新植した山林がおおむねうっ閉(枝葉が重なり地表を覆った状態)したときに行う作業で、不用木を取り除く作業をいう。

➢ 枝打ち
林木の健全な成長と節のない良材を作るために、計画的に一部分の下枝を切り取る作業をいう。

➢ 間伐
間伐とは、植林された木々を成長に合わせ、木々に適度な間隔を持たすことで、日光の入りを良くし、より大きく成長を促すための作業

人工林には人の手を入れないと、木は細いままに光を求めて上へと成長し、モヤシ状態になる。そうなると、土砂災害防止機能/土壌保全機能といった森林の機能を発揮することができなくなる。

又、林業には災害防止以外にも、以下の通り、多様な機能が存在する。
➢ 生物多様性保全
➢ 地球環境保全
➢ 水源涵養機能
➢ 快適環境形成機能
➢ 保健・レクリエーション機能
➢ 文化機能
➢ 物質生産機能

2、日本の林業の概要

日本の森林面積は2500万ヘクタールで、国土の3分の2を占める。
内1040万ヘクタールが人工林で、1500万ヘクタール弱が天然林。
一方で、この規模の森林が保有されているのは、日本の歴史上では多くない。
というのも、森林は、エネルギーや建築用材としてもっとも身近にある主要な資源であるがゆえに、有史以来、常に過剰伐採の危険性にさらされ、疲弊した状態が続いてきた。
日本においてそれが頂点に達したのは戦中から戦後にかけてであり、現在の豊富な森林率は、戦後の植林の賜物。

森有率
(出所)平成16年度森林・林業白書を参考


現在の人工林は、戦後の拡大造林開始から50年を超えるものも出てくるようになっており、これからは間伐した材を利用する時代が本格化する。一方で人工林は少林した後手入れ不足の状態を続けると、やがて間伐しても健全な森に戻る事が難しくなり、崩壊(土砂崩れ等)の危険性が増す。

3、林業の経済への寄与

林業は、製材などの木材生産業や家具・住宅など木材関連産業の産業集積を促し、地域のみならず、国の経済社会を支える大きな柱となりうる。
➢ オーストリアの例
木材関連企業の輸出は、45億ユーロ(約7,000億円)の規模に達しており(2005年)、輸出全体の5%を占め、同国最大の貿易黒字を稼ぎだす産業である。
➢ フィンランドの例
木材関連輸出は105億ユーロ(約1.6兆円)。目次産業の輸出に占める割合も20%にまで達している。
➢ ドイツの例
木材関連産業における雇用は約100万人。(自動車産業の77万人を上回る水準)
木材関連産業は、林業・木材産業・家具・住宅といったそれぞれ独立した中小の産業群で形成されており、雇用の裾野も広い。
木材クラスターには、林業機械や製材機械などの機械メーカーも属している。

4、地域への貢献度

➢ 林業・木材産業は、基本的に他に目立った産業が立地し得ないような条件不利地域に立地される。それが輸出産業にまで発展していることを考えれば、地域経済社会への貢献度はきわめて大きい。
➢ 木材は「重くてかさばる」という特性を持っているため、囲う関連産業は必然的に「資源立地」、つまり中山感地域に集積する。
➢ 林業を支えるシステムの基本は共通であるため、ひとたびそのモデルを構築すれば、これを日本全国に普及展開できるようになる。
➢ 森林は日本全国至るところに存在する資源であり、森林を利用する林業はシステムによって支える産業である。このため、ひとたびシステムができれば全国に普及展開することが可能になる。

5、林業のエネルギーとしての可能性

➢ ドイツでは木質バイオマスエネルギー利用が今や一次エネルギー消費の4%近くを締め、関連雇用は11万人。

6、日本の林業が抱える課題

➢ 皆伐の広がりと伐採に関わるルール不備

森林を将来につなぐには、伐採は、それが最終的な収穫である主伐(植林した木を最終的に伐採し、次の世代に引き継ぐこと)であれば、その後に後継樹を育て、次世代につなげる更新をきちんと担保すること、又、間伐であれば、それが長期的な森作りにつながるような施行となることを決めたルールの制定と、その実効性を担保するための監視メカニズムが必要。
しかし、伐採について、日本の現行法では、保安林を除いて、皆伐の面積制限や再造林の義務化等がなされていない。
又、間伐についても、質・量ともに問題がある。

 質にかかる問題
適切な間伐が行える技術をもった人材を育成するための制度自体が存在しない。よって、森林管理の専門家や林業技術者に対する資格制度も存在しない。このような状況のため、林業事業体に対する資格制度も当然存在せず、現場はやりたい放題の無法状態に近い。
この状態がこれまで問題にならなかったのは、資源が長年使える段階になく、間伐も墓碑クのための伐り捨て間伐が中心だったため。

 量にかかる問題
最低でも10年に一度のローテーションで間伐をする必要があるため、日本の人工林に対しては、年間100万haの面積を間伐する必要があるが、実際の間伐面積は長年にわたり30万~40万ha前後を推移。

全国に置ける造林未済地の発生状況
放棄値
(出所)山根 正伸 氏/神奈川県自然環境保全センター研究部
http://www.fairwood.jp/printdoc/prdc_mel26_01.shtml

7、その他/世界の林業との比較

➢ スウェーデン
スウェーデンにおける林業という産業

林業に加え、製材業や製紙業など林業関連の製造業に年間通じて従事する人口は10万人を超える。
従事者の人口で見れば、スウェーデン第二の産業

木材と木材加工製品は、輸出額から輸入額を引いた額が国内の産業で最大。
1997年の統計で、760億クローナ(約1兆1000億円)に達する

スウェーデンの地形
国土面積の3分の2を森林が覆う。(森林率67%)
都市であってもそのエリアはそう大きくはなく、少し離れれば、どこでも豊かな森林地帯が存在
樹木の成長スピードは約半分

➢ ドイツ
森林面積: 1057万ヘクタール
丸太生産量: 6,000万平方メートル強(日本の人工林からの生産量の4倍以上)
丸太のほとんどは自国内で加工・消費

➢ フィンランド
森林率74%、森林面積 22,500hg、蓄積21.5億㎥

  以上

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