スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「福祉国家実現へ向けての戦略」~高福祉高負担がもたらす明るい未来を~

更新が遅れてしまいすみません!

3月11日の勉強会では、「福祉国家実現へ向けての戦略」~高福祉高負担がもたらす明るい未来を~を要約した資料を元に、ディスカッションをしました!

興味深かった点として、まず第一に、スウェーデンが少しずつ国民の理解を得ながら、負担の度合を高めるとともに、高福祉の国家になったことにあります。

その証拠として、GDP対比国民負担率は、1960年の28.8%から、2000年後半には45.4%になり、付加価値税率は4.2%から25%となり、平均勤労所得税率は、14.63%から31.44%へとあがっていると本書では紹介されています。

そして、高福祉の中身も大変興味深いものでした。

多額の税金の使途となる社会保障給付費の2003年の内訳を見ると、スウェーデンではGDP比で医療が7.1%、年金が10.4%、福祉その他が14.4%となっており、日本の内訳となる医療6,2%、年金9.2%、福祉その他3.3%と比較すると、福祉その他が大きな差を生んでいます。

その福祉その他の内訳の主な物は何かというと、家族関係支出(3.54%)と教育(6.2%)になります。

家族関係支出の具体的な使途はというと、以下の通りです。

①育児に伴う直接コストの社会全体での負担
  I.家族手当の充実
  II.子弟の教育にかかるコストの負担

②子どもを持っても夫婦そろって社会に進出仕事を継続できる環境整備
  I.育児休暇制度
  II.保育や幼児教育の施設整備並びに保育料などの公費負担

上記施策の効果により、保育所や学童保育所を利用する児童数は着実に増加し、
それに応じて、女性の家庭からの解放も漸進的に進み、女性の就業率は年を追って増加したとのことです。
(1960: 約52%→2000: 約78%)

では、その女性がどこで働いているかというと、一つの大きな雇用口がコミューン(日本における県に相当する)における公務員です。

福祉国家形成とコミューンにおける公務員の増加の関係もまた、面白い点でした。

福祉国家形成によって、福祉サービスの多くが公的に供給されることとなり、その結果、コミューンによる雇用機会の提供が増加し、福祉サービス、教育サービスに適正を持つ女性の就業も増えました。
(コミューン就業者の80%程度が女性であると言われる。)

以下の通り、福祉国家形成の中で、就業構造も変化しています。

        1965 2000
民間サービス業等 43% 47%
公共部門      15% 32%
製造業等      30% 19%
農林水産業      12% 2%

1965年から2000年にかけての就業者の実数を見ると、民間部門では30万人の減に対し、公共部門では70万人の増加となっており、35年間で40万人の就業機会か作り出されています。

このような就業構造の変化が、僕らが勉強している地方の活性化にも影響を与えていると
本著では紹介されています。

実は、スウェーデンでは地方と都市での格差が日本ほど大きくありません。

日本の地方交付税の規模は、2010年度の実績で、地方税総額32.5兆円の内75.6%を占め、又、日本全体の歳出総額82.1兆円の内、30%を占めるという、大変大きな値となっています。

一方、スウェーデンにおいては、日本の地方交付税交付金のような、中央と地方の経済力の調整のための公的施策は、県レベルで見ると県税収全体の2.5%に過ぎず、最大の拠出県である首都ストックホルムでも、その税収の5%を負担するに過ぎないとのことです。

その背景の一つに、地方に置ける医療、介護、育児及び基礎学校などの教育施設など、福祉国家特有の福祉、教育サービスの整備と運用に効果があったと考えられると本著では述べられています。

福祉国家においては、福祉システム、教育などにおいて地方格差が作られないため、そのサービスに従事する人材が地域に根付くとともに、彼ら、彼女らが家族を伴う事から、地方からの人材流出も結果として阻止できるとのこと。

又、その結果、ノーマルな人口構成も維持され、小規模な生産施設も活力を維持し、食料、雑貨品などを生産し、流通させる地域的な小企業もまた営業を継続できるとのことです。

スウェーデンの本を読んでいて、上記のような事実を知り、スウェーデンの仕組みを勉強することと、地方の活性化には何か大きなつながりがあるように思えました。

と共に、感想として抱いたのは、スウェーデンは特に、地方を活性化しようとして国づくりをしたわけではなく、国に住む人に機会を十分に提供し、国のリソースを120%使い切る事で社会を維持・発展させようとする中で、付随的に地方の活性が維持されてきたのではないかと感じました。

日本のように地方の活性化が叫ばれるような状態になった国に対して、取るべき処方箋は違う気もしますし、スウェーデンの制度の背景にある者の考え方や人の意志のところに、大切なものがあるのではと、最近は思います。

というわけで、引き続き、我々はスウェーデンの勉強を続けます!続きも乞うご期待下さい!
今後は、スウェーデンの産業についても、調査していきます!

スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。