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スウェーデン・パラドックス

2月12日の勉強会では、”スウェーデン・パラドックス”という本を使って、勉強会を行いました。

高福祉国家でありながら、高い競争力を持つ経済も兼ね備えたスウェーデンという国家がどのように生まれたかが、様々な政策と共に述べられた本著には、「こんな国があるのか」と驚かされます。

様々な政策が、その政策が制定された背景や狙いと共に説明されているのですが、その政策に共通する点を、本著では冒頭の14Pに以下の通り述べられています。

"マクロ経済・財政運営、税制、労働市場、教育など経済・社会システム全般に通じるキーコンセプトを筆者なりに解釈すれば、それは「人を大切にする」「人間の意欲・能力を最大限発揮させる」という理念だ。企業経営なら当たり前の考え方が各種の制度設計や国家運営の基本として貫かれている"

勉強会では、様々な制度や政策の実例を紹介すると共に、日本と比較してのディスカッションをしました。

一部は、19日の勉強会で取り上げた"日本はスウェーデンになるべきか"にも書いてある内容でしたので、その内容のうち、ブログで紹介した女性の就業率の高さや同一労働・同一賃金という仕組みなどを除き、私たちの印象に残ったものを本ブログでは紹介させて頂きます。

具体的には、就労インセンティブを重視する福祉・社会保障制度を上げます。

スウェーデン人は、個人個人が独立して生きるべきという価値観が強く、そのような社会を作るためには、機会の平等を実現すると共に、さらに何かしらの不運が個人を襲っても、人生のやり直しができるようにするセーフティーネットを充実させてきた歴史があります。

具体的に本著で紹介されているものを取り上げると、低技能・若年労働者と老人に機会を提供し、個人として社会の中で生きてもらうために、国が企業に対してインセンティブを用意した制度があります。

低技能・若年労働者を雇うインセンティブとして、スウェーデンでは、そのような人々を企業が雇った場合に、その企業に助成金を支給したり、社会保険料の支払いの一部を免除することで、実質的な人件費を下げるといった制度を設けています。ここの一つのポイントは、低技能・若年労働者が受け取る給与は減らされていないということです。

一方、日本では、若手や低技能の労働者が正社員として就職することが出来ず、同一労働でも給与が低く抑えられてしまう非正規雇用に流れてしまっています。

又、彼らは、景気悪化の際には正社員の雇用を守るための景気の調整弁とされてしまいがちでありながらも、社会保障が十分に受けられなかったりといったことも問題になっております。

ちなみに同著では、スウェーデンの非正規雇用についても述べられています。

スウェーデンでは、"雇用形態に関わらず雇い主は支払う給与に応じて社会保険料を国におさめなければならず、勤務時間あたりの人件費"は変わりません。

又、スウェーデンでは、派遣先企業が派遣契約を解除しても、派遣元企業での無期雇用が続き、基本給が支払われるため、景気後退に伴う派遣切りのような事態も日本ほど急激にはおこらないと考えられます。

ただし、問題もあり、スウェーデンにおける同一労働・同一賃金の原則が、派遣元企業と派遣先企業で働く従業員の間には適用されないことがあります。ただし、正社員としては雇用がされにくい若手労働者等の雇用の入り口として機能している面も政府は高く評価しており、今後よりよい制度を作るべく検討が進められていくことと考えられます。

老人を雇うインセンティブとしても同様のものがあり、65歳以上の従業員に対しては社会保険料を企業が全額払う必要はなく、約3分の1だけおさめれば住むという制度が設けられます。

このような制度が、先ほども紹介した「人を大切にする」「人間の意欲・能力を最大限発揮させる」という理念にそって、いくつも設けられているのがスウェーデンという国家です。

そして、何故彼らがそこまでするかというと、小さい国家でありながら、高福祉を維持していくためには、全国民のリソースを十分に活用することが必要なことを、広く世間の人が認識しているからなのだと思いました。
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