スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

地方の町おこし・産業に必要な要素とは?

今回は木村俊昭氏著の自分たちの力でできる「まちおこし」を読んで、気づいた点をまとめてみました。
私たちは現在、地方でビジネスを起こす事を目標に活動していますが、様々な事例を調べてみると、やはり地域資源(その地域に昔から根付いている文化・農作物・風景)の有効活用がキーとなっている様です。

①地域活性化に必要な事
2011年6月に地域活性化に取り組んでいる行政や商工会議所、企業経営者、農協、漁協、地域金融機関、小中高大の教員、学生・院生等を対象にアンケートを実施(2,000人超から回答あり)。その結果は以下の通りだそうです。

「地域活性化の課題は?」
1. 地域資源の有効活用の遅れ
2. 中心市街地の空洞化
3. 後継者不足
4. 地域キーパーソン不足

「地域活性化には何が必要か?」
1. 新たな産業・文化
2. 人材育成・定着
3. 女性・若者等の活躍の場づくり
4. 市民所得の向上

ここで注目したいのは“地域資源の有効活用の遅れ”が地域活性化の課題として1位に来ている所です。則ち地元方々は地域資源として何が存在しているか(What)は認識していても、それを中々有効活用(How)出来ていないという事を現しているのではないかと思います。

②本書に取り上げられている数々の事例を参照して気付いた共通項
成功事例には以下の様な共通点がやはり見られます。

子供を巻き込む事
→かなり定性的だが子供の生命力・元気さがあると、場がとにかく明るくなる。又、子供たちが生まれ育った地元で、地域独自の風土や特産物の良さを経験する事で、将来的に生まれ育った場所に残るという選択をする可能性も高まる。

女性・若者を巻き込む事
→従来の地方ビジネスは男性視点で進められる事が多く、得に女性・若者の意見を取り入れるという点に欠かけている。そういったビジネスはマーケティングが徹底されていない為、当たり前ではあるが作っても売れない製品を世に送り出してしまう事が多い。この点は以前読んだ「地域再生の罠」に取り上げられていた事とかなり共通する。

農業の6次産業化
→とにかく農業が儲からなくなってきている(本書に農業の低所得化が記載されていたが、この点について今後詳しく調べてみたい)昨今、農家が自身の生産作物を加工し消費者に届ける取り組みが多くなってきている。その際には消費者の心に響く様なマーケティングやブランディング、消費者参加型の製品等、ただ加工するだけではない一工夫が売れるかどうかの決め手になっている模様。海士町のサザエカレーは漁業であるが、まさにその典型(ネーミング・島の文化とのリンク)。

全体最適/外部からのマーケット獲得
→イオン等の大型ショッピングモールや大企業の工場の誘致は頻繁に見られる地域活性化の一例だが、特に後者の方は案外撤退して事も多い。何故なら元々ある労働力・需要を根こそぎ持っていってしまって、それを元に今まで成り立っていた産業が疲弊してしまうから。取り上げられていた成功事例は既存の需要のシェアを取るというよりは外から稼ぐという傾向が強かった。

③事例
1. 「柏倉門傳」-消費者参加型ビジネス(山形県山形市西山形地区)http://yamagata-np.jp/news/200912/23/kj_2009122300411.php
 休耕田が多数あり、これを有効活用すべく「西山形の酒を造る会を発足」
 地元で取れた米と、地元の白鷹山麓の湧き水で造る美味しい日本酒を造る、というコンセプト
 一口1万円を消費者に拠出してもらい、作付けから稲刈り迄体験してもらう
 ポイントは初期投資と顧客をビジネス開始時点から獲得している点

→私見:実際は年間数百口程度しか集まっておらず、休耕地の有効活用についての抜本的な対策にはなっていなそう。但し、消費者に生産過程から参加してもらうというやり方は素晴らしいと思うし、こういった草の根的な活動が全国的に増えていけば良いと感じた。

2. 有限会社利尻屋みのやhttp://store.shopping.yahoo.co.jp/rishiriyaminoya/index.html
 蓑屋修さんが51歳で脱サラして起業
 故郷の為に仕事がしたいと地元利尻市の真昆布(発芽して3カ月以内のやわらかい昆布で昆布の中でも上質とされるもの)の加工食品の販売を始める
 斬新なキャッチコピーで注目を集める「7日食べたら鏡をごらん」、「150歳若返るふりかけ」等々
 現在小樽に4店舗、昆布だけで年間50トン販売
 人々に分かりやすいキャッチコピーがどれほど大切かを物語る事例
 行政は例えば「伝統的建造物群保存地区」の事を「伝建地区」と言ったりする→非常に分かりにくく親しみにくい

→私見:海士町の「島じゃ常識サザエカレー」と同様に、こういった食品の場合は消費者に分かりやすく、ユニークで目をひく様なキャッチコピーが大事だと感じた。

3. あおもり正直村http://www.syojikimura.com/about.html
 企業誘致によって数字だけを追い求めると、逆に地場の産業・企業が価格競争に晒されて疲弊してしまう
 そういった現象に対して戦略的に取り組んだ事例
 青森県農産品加工協同組合の統一ブランド「あおもり正直村」
 青森県内の18社の食品メーカーで構成され、豆腐・納豆・こんにゃく・ソーセージ・ハンバーグ・ホタテ等々80品目を扱う
 きっかけは県内のスーパー等で大手メーカーの製品との価格競争に晒されて太刀打ちできず、価格以外の側面で差別化を図るしかない、と打開策の戦略立案に踏み切ったこと
 市場調査を行い、地元素材を使った安心・安全の統一ブランドならある程度高額でも購入するという消費者が2割いることを見出す
 その2割をターゲットに商品を販売するという目標を立てる
 立ち上げメンバーは食品メーカーを回って賛同者を集める
 スーパーにあおもり正直村の専用コーナーを設けて、地元素材・安心・安全を徹底的にアピール

→私見:実際にWEBサイトを見たがどの商品も美味しそうで購入したくなった。通販も行なっており、簡単に遠隔地の人も購入出来る。かならず生産者の顔写真、それぞれの生産農家の創業経緯等もWEBサイト上に載っており、安心感がある。やはり創業時点でマーケティングをしっかり行い、消費者の中でも上位2割の割高な製品を買っても良いと思っている人たちをターゲットにして商売をする、という明確な方針を打ちたてた所が素晴らしいと思う。初年度で年間2,000万円の売上を達成し、年間1億円の売上を目指し活動を拡大している模様。

4. 宮崎県 臼杵群 五ヶ瀬町http://www.town.gokase.miyazaki.jp/  http://55gokase.jp/
 宮崎県の北西端、熊本県との県境にある五ヶ瀬町は人口4,600人
 町の殆どが山林で総世帯の半分は農家、車で熊本空港から1時間、宮崎県の中心から3時間、県内には国内最南端のスキー場がある
 所謂過疎地域で、この地域には正直なにもなかった
 子供たちが早く都会に出たいと考え、人口流出が止まらなかった
 1993年に突然、農林水産省のグリーン・ツーリズムモデル整備構想等の策定市町村、全国25地域の1つに指定される(おそらく農水省の指示の下、事業を起こせば補助がつく?)
 最初は箱モノの大型施設等の安も出たが、住民が話合いを重ねる中で、身の丈にあった事をしよう、町が誇れるものを売り出していこう、という方針が固まる
 町民の誇りである阿蘇連山に沈む夕日をコンセプトに町おこしをスタート
 活動のコンセプトは“おかえりなさい ふるさとの五ヶ瀬町で こころのやすらぎを”
 ふるさと体験ツアーを企画
 地元農家の家に泊まり、その地の食材を伝統的な家庭料理として調理し、提供
 ふるさと体験ツアーは毎年100人を受け入れる恒例行事に
 2007年から中国からの就学旅行生を受け入れ開始
 現在は中国やシンガポールから年間400人の就学旅行生を受け入れ
 訪れた人々はおばあちゃんの温かさ、自然、夕日の美しさに心を打たれる

→私見:五ヶ瀬町のWEBサイトを見たが、非常にしっかりしている。特に五ヶ瀬町55周年記念サイト(http://55gokase.jp/)の完成度は秀逸で、本当に五ヶ瀬町に行きたくなってしまった。地方発のビジネスではないものの、やはり地方の過疎地でも勝機はあると思った。都会の人が忘れた大切なものが必ず地方にはある。人の温かさや雄大な自然。そういったものは必ず心に響く。但し、その良さの打ち出し方や見せ方が上手くない地方自治体が多いのかもしれない。五ヶ瀬町の面白い所は農水省からの助成を受けるチャンスをもらっても箱モノ等の施設建造に踏み切らず、身の丈にあった自分たちが心から誇れる地域資源を最大限に有効活用した所だと思う。ないものを作るのではなくあるものを最大限に活かす、これはどの事例にも共通する事項だと感じた。

④総括
地方には必ずその土地土地の素晴らしい地域資源が存在すると思う。問題はそれをどう製品化して売り出すか?という事だと思う。要はマーケティングが本当に大切で、どういったターゲット消費者にどの様な手段で広告していくか?というのが成功の鍵を握っている様だ。

以上長くなりましたが、所感をまとめてみました。これからも様々な事例を参照し、何が地方におけるビジネスのキーとなっているのか引き続き考察してみたいと思います。〆
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。