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『金融の地産地消』ウォール街に行くカネを九州に落とす企業  ~株式会社ドーガン・アドバイザーズ~

本日の勉強会では、地方密着型投資銀行として注目されている株式ドーガン・アドバイザーズ(以下、ドーガン、同社)の概要とポジショニングを理解しディスカッションを通して、果たしてドーガンは地域密着型投資銀行のロールモデルになるのか、を考察しましたので下記に掲載いたします。



1.導入

「金融の地産地消」、今このような言葉が注目されている。
昨年11月に金融庁で行われた第7回金融審議会「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」にて取り上げられたのは、九州を基盤に「金融の地産地消」を看板に掲げたドーガンの取り組みである。同社設立者の森大介氏はシティバンク時代に福岡出張所所長を務めていたが、経営者に金融商品を販売して得たカネは米ウォール街に流れるだけで、地元には還元されていない現状を目の当たりにしていた。同時に中小企業経営者から事業継承や再生案件の相談を受けても小規模案件のために、本社から見向きもされず対応しかねていた。悩みぬいた森社長はドーガンを設立し、九州でカネを集めて九州の企業に投資し、そしてリターンを得る事業に取り組んだ。


2.ドーガンのポジショニングについて

さてドーガンの概要については下記リンクの資料を参照していただき、ここでは同社の優位性について記載するにとどめたい。

金融庁:第7回金融審議会「我が国金融業の中長期的な在り方に関するワーキング・グループ」資料1-1
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/w_group/siryou/20111118.html

ドーガンの存在意義を述べる上で一つのキーワードと言えるのが、同社社長の森氏の「地方には直接金融の仕組みがない」という発言[1]であろう。つまりは、地方の事業承継や再生支援の案件に対する直接金融(リスクマネー)の供給者がいないということである。

事業承継や再生支援などの企業支援は投資銀行やメガバンク、大手証券会社が担うところだが、地方の投資案件はどうしても規模が小さくなり低収益ゆえに手が出しにくい状況であった。このような投資案件は大小問わず大変な人的労力を要し、取り組むに当たり最低取引額を設けざるをえない状況だからだ。一方で従来より投融資一体で地場産業を支えてきた地方銀行は、リーマン・ショック以降リスク許容度を厳しくしており、リスクマネーの供給が難しい。そのニッチな市場を補完する役割で台頭してきた。


3.今後の展望

ドーガンは地域密着型投資銀行のロールモデルになるのか、ということは地方金融を考慮する上での関心事である。ロールモデルになるための前提として、「先進的事例ではあるが、そもそも成功しているのか」という視点であろう。実際に森社長自身も「苦戦している先もあり、うまくいっていると思っていない」[1]と述べている。成功の定義はドーガンの業績拡大、ファンドのリターン実績という経営的指標は欠かせないが、あえて地方にコミットして取り組むという点に資本主義優先ではない定性的な指標(幸福度のような!?)を持ちあわせて考慮する必要があると考えている。

また、このような取り組みは九州地方にしか起こりえない事象か否かを明確にする必要がある。地方に密着したファンドは存在するもののやはり目立った実績を挙げられていないように思う。例えば東北地方にも地域密着型のベンチャーキャピタルは存在するが、本当にスタートアップした段階の支援をができているかといわれるとなかなか難しいようである。
地方別のM&A規模の比較や起業・廃業数を統計の観点から比較することによって地方ごとの特色をつかみ、第二のドーガンが誕生する余地があるのかを検証していきたい。


[1]引用:『日経ビジネス 第1592号』(日経BP社、2011.5.23)
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