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【日本と他国の比較】労働法規制比較と残業

 日本は労働時間が長い国です。(詳細はこちらから)

 前回のレポートでは(【日本人サラリーマンについて】日本文化と残業)、日本人の文化と残業の関係について述べましたが、ここでは、法制度と残業の関係について述べます。

具体的には、厳しい労働法規制を強いている国について紹介した後、それを日本の労働法規制と比較することで、日本が法制度からみて、相対的に残業をしやすい国であることを明らかにします。

 比較対象の国としては、フランスをあげます。

 同国は、労働時間短縮法(Reduction du temps de travail)という法律を2000年以降適用しています。
 この法律では、従業員一人当たりの労働時間は週35時間以内とすべきと規定されています。
 法定労働時間の35時間を超える場合は時間外労働として見なされ割増手当を支給しなければいけなくなります。
 また、週35時間を超えて従業員を働かせる場合でも、1日10時間、1週間48時間、12週間の週当たりの平均労働時間44時間を法定最長労働時間としており、これを破ると、上司あるいは法人(責任者)が罰金や禁固刑などの罰則を受けることもあります。

 ちなみに日本では、労働基準法で、従業員一人当たりの労働時間は、週40時間以内とすべきと規定されています。 しかし、労使協定(具体的な手続きとしては、経営者側と労働組合とが交渉をする(ex.春闘))を結ぶことによって、法定最長労働時間は上限なく設定する事ができます。
 協定がない場合については年間220時間となります。
 2007年10月の労働法改正以前は年間で220時間を超える場合は労働監督局への申請が義務付けられていましたが、申請義務は廃止されました。
 さらに日本では、法定最長労働時間を越えたとしても、警告が出されることはありますが、特に罰則はありません。
 
 又、フランスでは、週に8時間以上の時間外労働に対して、50%の割増賃金が適用されますが、日本では、月に60時間以上の時間外労働に対して50%の割増賃金が適用されます。
 結果、フランスの方が、厳しい罰則や早期の割増賃金の適用により、従業員を長く働かせないほうが得であるというインセンティブが、企業やその上司に対して相対的に強く働くといえます。

 実際に、2007年のILOのWorking Time Around the Worldというレポートによると、週49時間以上働いている人の割合が、フランスでは14.7%なのに対して、日本では29.3%と約2倍の数値になっています。これは、以下の通り、北欧と比較するとまだまだ高い割合ですが、欧米と比較すると、低い割合となっています。
長時間労働者の割合
出典)ILO(2007)Working Time Around the World

又、2000年に前述の法律が適用された後、フランスでは実際に労働時間が減少しています。
年間実労働時間推移

 以上の通り、フランスと日本の労働法規制、長時間労働者の割合及び長時間労働の推移を比較しました。

 法制度の比較対象の国がフランスだけであるため、一概に日本の労働法規制が日本の長い労働時間の原因であるとはいいきれませんが、労働時間の短縮のために、法制度がもっと整備される余地はあるとはいえるのではないでしょうか。

 ちなみに、フランスが労働法の規制に舵をきった目的として、以下の二つがあります。

目的①:ワークシェアリングによる雇用創出
目的②:合計特殊出生率の上昇(フランスの出生率については、こちら(【社会人ネクリンの仮説】残業が生み出す社会的損失)をご参照下さい。)
 
 フランスが労働法規制を厳しくした背景は、今の日本にも重なります。
 従業員一人あたりの労働時間を増やすことで、追加で人を雇うコストを減らすという短期的な利益だけではなく、残業を減らすことで出生率や雇用の増加を図り、長期的な利益を目指すことも大事なのではないかと思います。

 又、そのような長期的な利益のためには、一企業の経営努力による残業の縮減だけではなく、国として法律を整備することを検討しても良いのではと思いました。

 以上

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・今後の予定(2011年10月2日時点)
 離島視察会  10月7日(金)~9日(日)
 第四回報告会 10月23日(日) 時間未定
 第五回報告会 12月17日(土) 18:00~
 第六回報告会 2月18日(土)  18:00~

・メンバー募集中
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 メンバーいつでも大募集中です。ページ上部のお問い
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