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”日本はスウェーデンになるべきか”

今回は高岡望氏著の「日本はスウェーデンになるべきか」を読んで色々と考察してみました。

まず皆さんはスウェーデンという国をどれくらいご存知でしょうか?
 人口:940万人(ストックホルムの人口は83万人)

 強い国家:歴史的にも北欧で最強の国家(フィンランドを600年余り傘下に治める)

 長いく暗い冬:ストックホルムは10~4月が冬

 所得力:国民総所得は4694億ドル(2008年時点、世界19位)で日本の10分の1であるが、国民一人あたりの所得で見ると5万910ドルで世界10位。ちなみに1~9位までの国は所謂人口が少なくて裕福なヨーロッパ・アラブ・バミューダの国々。日本は3万8130ドルで世界31位。

 優れた科学技術:摂氏温度計・交流電流・分類学・ダイナマイト・冷蔵庫・卓上電話機・ボールベアリング・三点式シートベルト・チャック・マッチ・牛乳の紙パック・パソコンのマウス・GPS・スカイプ等の発明を日本の10分の1の人口で成し遂げる。

→ちなみに、ダイナマイトを発明したアルフレッド・ノーベルの遺言に従い、1901年からスウェーデン科学アカデミーとカロリンスカ研究所の選考によりノーベル物理学賞・化学賞・生理学・医学賞が授与されてきた。1901年からスウェーデン科学アカデミーとカロリンスカ研究所の選考によりノーベル物理学賞・化学賞・生理学・医学賞が授与されてきた。1969年からスウェーデン中央銀行が経済学賞を選考している。

日本と比較して人口は10分の1なのに一人あたりの国民所得は日本より1万3千ドル(2008年当時の為替で135万円程度)も上で、優れた科学的な発明を歴史的にも色々と産み出しています。これは何故かというと国の政策としてとにかく労働生産性を高めて競争力のある企業に労働力を向けるという事が徹底されているからの様です。

スウェーデンにはLO(労働組合総連盟):ブルーカラー(170万人)、TCO(俸給職員中央労働連合):ホワイトカラー(120万人)、SACO(専門職労働組合連合):高学歴・専門職(60万人)という三大労働組合が存在し、経営者の連盟と交渉の上、給与水準を決定します。

ここが面白い所なのですが、スウェーデンでは同一業種は同レベルの賃金が支払われるべきという思想の下、同一労働同一賃金が貫かれています。例えばト◯タの社員でもス◯キの社員でもあんまり給料が変わらないという事です。さらに長期間勤務しても日本程給料は上がりません。

これがどういう事を生み出すかというと、ある自動車会社A社の業績が悪くなったからといってその会社が社員の賃金を下げる事ができないのです。何故なら労働組合との間で給与水準が決められているからです。これによってA社は倒産してしまったとします。すると解雇された人は業績の良い自動車会社B社に行きます。

この様にして業績の良い、則ち生産性の良い企業ないしは業界に労働力をどんどん流す仕組みになっています。衰退する会社・業界は公的資金を注入してもいずれ衰退する。それをスウェーデンでは過去の経験(かつて国の柱だった造船業に莫大な公的資金を注入、しかしその後結局衰退)から学んでいる様です。

記憶に新しいのは2010年の中国の吉利汽車による自動車会社のボルボ買収です。ボルボというとスウェーデンの会社ですが資本は既に中国です。リーマンショックの後に危機に瀕したボルボをスウェーデン政府は助けなかった様です。80年も歴史がある会社なのですが。

繰り返しますがスウェーデンの方針は成長企業・産業にヒト・モノ・カネをしっかりと集めること。そうしないと中々グローバルに戦っていけないのでしょう。

一方で競争が厳しくてどんどん従業員が解雇される様な事が続くと国民はたまったものではありません。米国で日々起きているデモは皆さんも報道でよく目にするのではないでしょうか。

しかしここがスウェーデンのすごい所で、解雇された人には(詳細は割愛しますが)非常に手厚い失業手当が付与されます。また転職の為の職業訓練学校や大学に行く費用も国が全て負担します。尚且つスウェーデンの企業は日本の企業の様に厚生年金や退職金を支払う義務が無い(高い社会保障料の代わりに国が支払う)ので一つの会社に骨を埋めるという考えがそもそもありません。

つまりどんどん転職して生産性の高い企業に移ることの出きる社会的インフラが整っているのです。

又、スウェーデンは国連開発計画が発表しているジェンダーエンパワーメント指数で世界1位を獲得しており世界一女性の社会進出が進んでいる国としても有名です。

例えば専業主婦率はなんと2%(日本は約28%)!
国会議員の5割弱が女性!


ということで殆どの家庭が共働きで子育てもシェアする制度が色々と整っています(父親も育休を60日間取らないと受け取れる手当が少なくなる仕組み)。すなわち、旦那が転職活動していても奥さんは働いているし、失業手当も一年以上もらえるので非常に転職をしやすい様です。日本はまだまだ子育ては奥さんのすること、同じ会社にずっとはたらくもの・・・という考えがメジャーですが。

すなわち男女関係なくしっかりと働いてしっかりと国を支えるという精神が根付いているのです。

ということで色々と述べて参りました。最近社会人ネクリンではスウェーデンについて調査する事が流行っており、今年は調査旅行でスウェーデンに直接赴く予定です。日本とスウェーデンの社会システムについて興味のある方は、ブログよりもかなり深い議論をしておりますので是非とも勉強会にいらしてください!
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コミュニティ再生と地方自治体再編

1月29日の勉強会では、コミュニティ再生と地方自治体再編という書籍より、これからの持続可能な地方の在り方を考えるというテーマでディスカッションを行いました。


地方を取り巻く社会的な変化は、この数十年で非常に大きくなっています。モータリゼーションが広がることで生活圏が広域化したことで地域的な一体感が薄れてしまったことにはじまり、人口減少と高齢化の進行、経済的衰退、財政危機など構造的な課題を多く抱えます。例えば秋田県では1985年に、青森、岩手、山形では1990年に、福島では2000年に、宮城では2020年に人口減少社会に突入する見込みです。このような社会のなかで、地域が地域をいかに支えていくことができるか、地域に必要な福祉、保健、医療の体制を持ち続けることができるか、人間的な暮らしを維持することができるかというのが大きな課題になっています。

地方自治体の自主財源は全国平均でも約45%、東北に限って言えば35%しかないため、社会変化に対する柔軟な対応ができないだけでなく、そもそも行政の自己責任・自己決定力を醸成していかなければならないという課題が存在しています。三位一体改革に代表される財源移譲に伴う地方分権がより加速するためにも、内部体制を強化するような施策自体を戦略的につくっていくことが求められています。



これからの地方社会のビジョンは大きく言って、「ガバメントからガバナンスへ」。住民・NPO・事業者・専門家・自治体職員・地方政治家など、様々なステークホルダーが主体的に、全体として地域社会をつくる。行政は住民などとの連携協力や役割分担関係に立って活動していく、委託事業や補助事業を通じてNPOとの協働事業を進めるなどの施策が必要とされています。

例えば、岩手県田野畑村では新しい住民自治として、地域担当職員制度が取り入れられています。これは、「村民の声を聴くと共に、村民に必要な行政情報を提供することにより、『新しい住民自治』を推進するため」に、村内の23自治会に村職員各1人が配置する取り組みです。地域担当職員の役割は「地域の実情に即した地域づくりを誘導するための支援と助言」を行い、担当地域の要望などを「情報カード」に記載し、政策推進室に提出します。地味ですが、このような取り組みを通じて民意を行政に確実に反映させ、仕組みとして地域社会を作っていきます。また、村民総ボランティア制度という斬新な有償ボランティア制度があり、ここで支払ったお金は積み立てられ、全体の福祉のために活用されるとのことです。


地域において健全な生活を維持していくためには、特定の事業や機能のみに頼るのではなく、主体的な住民が地域全体として地域社会をつくっていくことが求められているのだと強く思います。

地方の町おこし・産業に必要な要素とは?

今回は木村俊昭氏著の自分たちの力でできる「まちおこし」を読んで、気づいた点をまとめてみました。
私たちは現在、地方でビジネスを起こす事を目標に活動していますが、様々な事例を調べてみると、やはり地域資源(その地域に昔から根付いている文化・農作物・風景)の有効活用がキーとなっている様です。

①地域活性化に必要な事
2011年6月に地域活性化に取り組んでいる行政や商工会議所、企業経営者、農協、漁協、地域金融機関、小中高大の教員、学生・院生等を対象にアンケートを実施(2,000人超から回答あり)。その結果は以下の通りだそうです。

「地域活性化の課題は?」
1. 地域資源の有効活用の遅れ
2. 中心市街地の空洞化
3. 後継者不足
4. 地域キーパーソン不足

「地域活性化には何が必要か?」
1. 新たな産業・文化
2. 人材育成・定着
3. 女性・若者等の活躍の場づくり
4. 市民所得の向上

ここで注目したいのは“地域資源の有効活用の遅れ”が地域活性化の課題として1位に来ている所です。則ち地元方々は地域資源として何が存在しているか(What)は認識していても、それを中々有効活用(How)出来ていないという事を現しているのではないかと思います。

②本書に取り上げられている数々の事例を参照して気付いた共通項
成功事例には以下の様な共通点がやはり見られます。

子供を巻き込む事
→かなり定性的だが子供の生命力・元気さがあると、場がとにかく明るくなる。又、子供たちが生まれ育った地元で、地域独自の風土や特産物の良さを経験する事で、将来的に生まれ育った場所に残るという選択をする可能性も高まる。

女性・若者を巻き込む事
→従来の地方ビジネスは男性視点で進められる事が多く、得に女性・若者の意見を取り入れるという点に欠かけている。そういったビジネスはマーケティングが徹底されていない為、当たり前ではあるが作っても売れない製品を世に送り出してしまう事が多い。この点は以前読んだ「地域再生の罠」に取り上げられていた事とかなり共通する。

農業の6次産業化
→とにかく農業が儲からなくなってきている(本書に農業の低所得化が記載されていたが、この点について今後詳しく調べてみたい)昨今、農家が自身の生産作物を加工し消費者に届ける取り組みが多くなってきている。その際には消費者の心に響く様なマーケティングやブランディング、消費者参加型の製品等、ただ加工するだけではない一工夫が売れるかどうかの決め手になっている模様。海士町のサザエカレーは漁業であるが、まさにその典型(ネーミング・島の文化とのリンク)。

全体最適/外部からのマーケット獲得
→イオン等の大型ショッピングモールや大企業の工場の誘致は頻繁に見られる地域活性化の一例だが、特に後者の方は案外撤退して事も多い。何故なら元々ある労働力・需要を根こそぎ持っていってしまって、それを元に今まで成り立っていた産業が疲弊してしまうから。取り上げられていた成功事例は既存の需要のシェアを取るというよりは外から稼ぐという傾向が強かった。

③事例
1. 「柏倉門傳」-消費者参加型ビジネス(山形県山形市西山形地区)http://yamagata-np.jp/news/200912/23/kj_2009122300411.php
 休耕田が多数あり、これを有効活用すべく「西山形の酒を造る会を発足」
 地元で取れた米と、地元の白鷹山麓の湧き水で造る美味しい日本酒を造る、というコンセプト
 一口1万円を消費者に拠出してもらい、作付けから稲刈り迄体験してもらう
 ポイントは初期投資と顧客をビジネス開始時点から獲得している点

→私見:実際は年間数百口程度しか集まっておらず、休耕地の有効活用についての抜本的な対策にはなっていなそう。但し、消費者に生産過程から参加してもらうというやり方は素晴らしいと思うし、こういった草の根的な活動が全国的に増えていけば良いと感じた。

2. 有限会社利尻屋みのやhttp://store.shopping.yahoo.co.jp/rishiriyaminoya/index.html
 蓑屋修さんが51歳で脱サラして起業
 故郷の為に仕事がしたいと地元利尻市の真昆布(発芽して3カ月以内のやわらかい昆布で昆布の中でも上質とされるもの)の加工食品の販売を始める
 斬新なキャッチコピーで注目を集める「7日食べたら鏡をごらん」、「150歳若返るふりかけ」等々
 現在小樽に4店舗、昆布だけで年間50トン販売
 人々に分かりやすいキャッチコピーがどれほど大切かを物語る事例
 行政は例えば「伝統的建造物群保存地区」の事を「伝建地区」と言ったりする→非常に分かりにくく親しみにくい

→私見:海士町の「島じゃ常識サザエカレー」と同様に、こういった食品の場合は消費者に分かりやすく、ユニークで目をひく様なキャッチコピーが大事だと感じた。

3. あおもり正直村http://www.syojikimura.com/about.html
 企業誘致によって数字だけを追い求めると、逆に地場の産業・企業が価格競争に晒されて疲弊してしまう
 そういった現象に対して戦略的に取り組んだ事例
 青森県農産品加工協同組合の統一ブランド「あおもり正直村」
 青森県内の18社の食品メーカーで構成され、豆腐・納豆・こんにゃく・ソーセージ・ハンバーグ・ホタテ等々80品目を扱う
 きっかけは県内のスーパー等で大手メーカーの製品との価格競争に晒されて太刀打ちできず、価格以外の側面で差別化を図るしかない、と打開策の戦略立案に踏み切ったこと
 市場調査を行い、地元素材を使った安心・安全の統一ブランドならある程度高額でも購入するという消費者が2割いることを見出す
 その2割をターゲットに商品を販売するという目標を立てる
 立ち上げメンバーは食品メーカーを回って賛同者を集める
 スーパーにあおもり正直村の専用コーナーを設けて、地元素材・安心・安全を徹底的にアピール

→私見:実際にWEBサイトを見たがどの商品も美味しそうで購入したくなった。通販も行なっており、簡単に遠隔地の人も購入出来る。かならず生産者の顔写真、それぞれの生産農家の創業経緯等もWEBサイト上に載っており、安心感がある。やはり創業時点でマーケティングをしっかり行い、消費者の中でも上位2割の割高な製品を買っても良いと思っている人たちをターゲットにして商売をする、という明確な方針を打ちたてた所が素晴らしいと思う。初年度で年間2,000万円の売上を達成し、年間1億円の売上を目指し活動を拡大している模様。

4. 宮崎県 臼杵群 五ヶ瀬町http://www.town.gokase.miyazaki.jp/  http://55gokase.jp/
 宮崎県の北西端、熊本県との県境にある五ヶ瀬町は人口4,600人
 町の殆どが山林で総世帯の半分は農家、車で熊本空港から1時間、宮崎県の中心から3時間、県内には国内最南端のスキー場がある
 所謂過疎地域で、この地域には正直なにもなかった
 子供たちが早く都会に出たいと考え、人口流出が止まらなかった
 1993年に突然、農林水産省のグリーン・ツーリズムモデル整備構想等の策定市町村、全国25地域の1つに指定される(おそらく農水省の指示の下、事業を起こせば補助がつく?)
 最初は箱モノの大型施設等の安も出たが、住民が話合いを重ねる中で、身の丈にあった事をしよう、町が誇れるものを売り出していこう、という方針が固まる
 町民の誇りである阿蘇連山に沈む夕日をコンセプトに町おこしをスタート
 活動のコンセプトは“おかえりなさい ふるさとの五ヶ瀬町で こころのやすらぎを”
 ふるさと体験ツアーを企画
 地元農家の家に泊まり、その地の食材を伝統的な家庭料理として調理し、提供
 ふるさと体験ツアーは毎年100人を受け入れる恒例行事に
 2007年から中国からの就学旅行生を受け入れ開始
 現在は中国やシンガポールから年間400人の就学旅行生を受け入れ
 訪れた人々はおばあちゃんの温かさ、自然、夕日の美しさに心を打たれる

→私見:五ヶ瀬町のWEBサイトを見たが、非常にしっかりしている。特に五ヶ瀬町55周年記念サイト(http://55gokase.jp/)の完成度は秀逸で、本当に五ヶ瀬町に行きたくなってしまった。地方発のビジネスではないものの、やはり地方の過疎地でも勝機はあると思った。都会の人が忘れた大切なものが必ず地方にはある。人の温かさや雄大な自然。そういったものは必ず心に響く。但し、その良さの打ち出し方や見せ方が上手くない地方自治体が多いのかもしれない。五ヶ瀬町の面白い所は農水省からの助成を受けるチャンスをもらっても箱モノ等の施設建造に踏み切らず、身の丈にあった自分たちが心から誇れる地域資源を最大限に有効活用した所だと思う。ないものを作るのではなくあるものを最大限に活かす、これはどの事例にも共通する事項だと感じた。

④総括
地方には必ずその土地土地の素晴らしい地域資源が存在すると思う。問題はそれをどう製品化して売り出すか?という事だと思う。要はマーケティングが本当に大切で、どういったターゲット消費者にどの様な手段で広告していくか?というのが成功の鍵を握っている様だ。

以上長くなりましたが、所感をまとめてみました。これからも様々な事例を参照し、何が地方におけるビジネスのキーとなっているのか引き続き考察してみたいと思います。〆
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